第三章 Third Kill
その、外見は廃墟の一室には、
一人の男が居た。

空っぽの寝台を見つめ、
｢はあ｣と溜め息をつく。

｢んだよ。
せっかく目覚めのキスでもしてやろうと思ったのに｣

男は苦笑し、｢ま、いいけどな｣と、
部屋の机にあった林檎を一つ取り、
それに軽く口付けする。

｢こんな朝から、
何処行ってんだろうな、アイツは｣

男はそう呟くと、
窓の桟に足を乗せ、
そのまま窓から飛び下りた───。

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