ぽた、ぽた、と水滴が落ちる音が、頭に響いていた。 この気持ちは何だろう? 動かない唇で、何か言おうとしてみたけれど、やはり何も言えない。 隣で、友人が寝息を立てている。 「・・・」 私は静かに辺りを見回す。 倒れた机や、椅子。ばらばらに引き裂かれたファイルや書類が、その部屋には散乱している。 「・・・・」 もう真夜中。 エレア達は、何故かいなくなってしまった。 分かっているんだ。きっと、大変な事に巻き込まれている。 「・・・」 けれど、私に何ができるんだろう? 私にできる事なんて、夏樹の隣にいる事くらい。 「・・・・、な、つ、き・・・・」 ゆっくりと彼女の名前を呼んでみる。 起きる気配は、ない。 「・・・・」 不安、不安、不安。 私は、紅い髪の友達の事を思い出す。 あの日、私の両親を殺した、紅い友達。 「・・・・る、き」 呼んでみるけど、彼はこない。 「・・・・」 虚しい。 ゆっくりもう一度辺りを見回す。 何も、変わりは無い。 「・・・・」 いつまでこんな事、続くんだろう。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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